老子の言葉をわかりやすくお届けします

原因は自分自身の心

怒りっぽい人って、結構多いものですよね。
些細なことでも腹を立ててイライラ…。
みなさんの周りにも、そんな人が一人はいるのでは?
(もしかしたら、自分自身が…)

 

なぜ、すぐにカッカと腹を立ててしまうのか。
場面ごとにその原因を考えてみると、
実は共通している「ある理由」に気づくと思います。

 

【ビジネスの場面で】
・部下が指示通り動かずにヘマをした時
・信頼していた相手の背信行為を受けた時
・自分の能力や業績に低い評価が与えられた時
・他者の前で恥をかかされるようなことがあったとき
 (叱責されたり罵倒されたり)

 

【プライベートの場面で】
・家族が自分に対して反抗的な言動をとる時
・家族が自分の思う通りに行動してくれない時
・店やレストランで倣慢無礼な態度で接客された時

 

どうでしょうか? 何か気づきませんか?
そうです。
いずれも、「相手があって」怒っているんです。
つまり、相手の言動にいちいち反応している
“自分自身の心”に原因があるということですね。

 

老子によれば、「真の強者は怒らない」もの。
些細なことでイライラするのは、その人が「強者」ではない証拠です。

周りに振り回されるのが怒りの元

善戦者不怒
(善く戦う者は怒らず)

 

老子によれば、「戦上手な者は、安易な挑発には乗らないもの」。
優れた名士は、武力に任せて物事を解決しようとしたりしないし、
怒りに身を任せて戦ったりしない。
上手に勝ちを収める者は競争しないものだし、
上手に人を使う人はへりくだってお願いするものだよ…と言うのです。

 

ちょっと強引な解釈かもしれませんが、老子が言いたかったことは
要するに「力まかせに正面からぶつかるんじゃなくて、頭を使えよ」
…ということだったのではないでしょうか。
怒りに関していえば、何か腹の立つ出来事があった時、
カッとなったその衝動に任せて怒りをあらわにしてしまう人は所詮、二流、三流。
一流の武士、ホンモノの「強者」は、一旦間を置いて、
その出来事(他者の言動など)や自分の気持ちの変化を
客観的に捉えられる余裕があるのでしょう。

 

すなわち、安易に周りに振り回されたりしないということ。
言い換えれば、自分自身の軸がしっかりしているということです。

強者は、いつも「一枚上手」

世の中で、「アイツは強者だな〜」と言われる人は、
人とはちょっと違った戦い方で勝利を収めるものです。
すなわち、いつも「一枚上手」なんですよね(笑)。

 

けなされたからといって衝動に任せて怒るのではなく、
逆に下手に出ることによって形勢を逆転させる。
つまり、一見不利な状況でも、その状況を利用することによって
最終的には自分に有利な状況を作り出してしまうというわけです。

 

このような老子の思想は、「小賢しい」「ひねくれている」と
批判的な捉え方をされることも多いようですが、
それは解釈する側がひねくれているという見方もできますね。

 

老子は、ただ、世の中の本質を述べているだけ。

 

「本当の強者とはどういう人のことなのか」

 

その本質をじっくり考えてみれば、
やたらに他国の領土をおびやかそうとする某国や
恐怖政治まっしぐらの某共和国とどう付き合うべきかも見えてくるハズです。

 

愚かな挑発に振り回され、乱され、大局を見失うようではいけないのです。